このページでは、事務所職員が自己研鑽のため勉強した内容を毎月報告させていただきます。
TKCインフォメーション ブロック会研修
受講日 令和7年6月3日
時間 8:30~9:30
講師 TKC川越センター
1 TKC全国会 新たな運動方針の紹介
税理士の4大業務を完遂し、中小企業を元気にしよう。
①月次巡回監査の実施関与先を増やす。
②FXクラウドシリーズでTKC方式の自計化を推進する。
③月次決算速報サービスを活用し、自己資本比率の向上を支援する。
税理士の4大業務とは税務、会計、経営助言、保証
2 FXシリーズ(スタンドアロン版)サポート期限について
25年12月末 制度改正以外のレベルアップ終了
使い勝手を向上させるための改良は行われなくなる
26年12月末 新規注文受付の終了
30年12月末 システムサポート終了
レンタル契約が解約され、使用ができなくなる
対象システム 会計 FX2、e21マイスター等
給与 PX2、FX2用あんしん給与
3 PX2等の無償期間延長について
30年12月末のサポート終了期限まで無償期間を延長する
4 証憑保存機能における新機能の提供
スマートフォン向けアプリ「スマホで経費」の新提供
証憑を保存する画面に移るまでの手順を減らし、必要な機能に絞ることで使い勝手を向上させた
TKC関東信越会 「会計事務所経営革新プロジェクト」キックオフセミナー
受講日 令和7年6月3日
時間 10:00~12:00
キックオフセミナー
FXクラウドシリーズで未来を切り拓く
(1)伝えたい3つのこと
①システムのクラウド化・WEBブラウザ化はこれからも加速度的に進む
②FX4の利用ユーザーをいかに増やせるかが事務所の実力の指標となる。クラウドの前にFX4を活用できないかをまず考えるべき
③スタンドアロン版システムからFXクラウドシリーズへのステップアップはできる限り速やかに。
(2)事務所経営のキーワード
①ナレッジマネジメント 知識や情報を言語化
②コーチング コンサルティング…答えを提供する
コーチング…答えが見つけ出せるように寄り添う。問いかけ続ける
③業務標準化から効率化へ あるべき姿を固めて効率化する
④仕組みで勝って、人で圧勝する 誰がやってもできるように仕組みを固めて一人一人の個性を生かす
⑤楽しむ
(3)あらがえない「流れ」
人材不足とDX化は今後も続く。勝ち残るには①FXクラウドシリーズを中心としたサー
ビス提供②適時かつ正確な業績管理体制の構築支援③継続MASやBASTを活用した未来会計支援④コンサル、コーチング、業務標準化、業務効率化支援、が重要
(4)FXクラウドシリーズが実現してくれるもの
①事前確認・事前監査で現場での時間に余裕が生まれる
空いた時間を活用し継続MASやBASTによる経営助言に注力できる。経験の浅い職員への所内指導に使える。
②付箋機能の利用でコミュニケーション頻度が増す
巡回監査を待たずにお客様の疑問や不安を解消できる。常時接続・こまめなやりとりというのが今後のお客様との関わり方になる。仕訳辞書の登録をやりすぎると関与先の起票能力が育たないので注意。
③仕訳に関する指摘・修正が容易
月次監査前に事務所で準備できる
④監査調書機能を利用することで書面添付作成に役立つ
月次監査時の気づきを感覚的に即時にメモできる
⑤バックアップ・復元の手間がない
⑥巡回監査機能が使いやすい
(5)FXクラウドシリーズの早期徹底活用ノウハウ
①例外を作らず期限を決めてやりきる
②システムの利用選択は事務所が決める。システムはお客様が使うものだが我々のシステムは最良なので使ってもらいますと言い切る。
(6)身に付けたい3つの力
①課題を認識し、解決に導く能力を身に付ける。
知って、やってみて、気づいて、つづける
②ファシリテーション(合意形成)能力を上げる
会社の経営を航海に例える。現在地点を把握し、目的地を設定しなければ進むことはできない。目標を持つことの重要性を経営者に伝える。
③「多面志向」を持つ
視座 低い~高い 大局を、流れを、現場を、業界動向を見る
視野 狭い~広い 広いほど気づきも多くなる
視点 少ない~多い 多いほど発想が豊かになる
(7)まとめ
変化を恐れず挑み続ける姿勢が大事。FXクラウドシリーズの活用を通して、その先のお客様の成長を支援し、自分たちもともに成長しましょう。
嶋田 一将
1、社会福祉法人制度改革の背景
社会福祉法人制度改革の端緒となったのは、「社会福祉法人の在り方等に関する検討会報告書」である。この中では、現在の社会福祉法人について非常に厳しい指摘がなされている。他の非営利法人に比べ、財務諸表等の公表が遅れていること。また、盛んに報道もされた内部留保を無為に蓄積しているという指摘。さらには他の経営主体との公平性などである。
しかし、上記の指摘にある内部留保については、多くの法人はそのほとんどを基本財産として保有しており、法人の自由にできる部分は決して多くはない。また、他の法人との公平性についても、営利法人であれば赤字事業であれば撤退の判断をするが、社会福祉法人にあってはその性格上撤退とはいかない。その中で公平性という議論がどこまで妥当かという問
題がある。
こうした中で、社会保障審議会福祉部会が社会福祉法人制度改革についての報告書を公表した。この中の制度改革の基本的な視点として、①公共性・非営利性の徹底 ②国民に対する説明責任 ③地域社会への貢献 の 3 点を示した。
これらの点を踏まえ社会福祉法の改正案が国会に提出されることとなった。
2、改正社会福祉法の概要
改正社会福祉法の中心は社会福祉の供給体制の整備にある。これは、法人の公共性・非営利性の徹底と国民に対する説明責任を踏まえたものであり、以下に示す
① 経営組織のガバナンスの強化
議決機関としての評議委員会を必置することとした。役員等及び会計監査人はこの評議委員会で決議し、評議員の理事との兼務は禁止となった。評議委員会を議決機関としたことで、理事会は業務執行機関に位置づけられることとなる。
さらに、一定規模以上の法人には会計監査人の設置が義務化される。それ以外の法人についても、公認会計士や税理士による財務会計の整備状況の点検、監事への登用が検討されている。
② 事業運営の透明性の向上
財務諸表、現況報告書、定款、役員報酬基準等の閲覧対象書類の拡大がされた。加えてインターネットによる公表が義務化されることとなった。
③ 財務規律の強化
理事、監事及び評議員に対する報酬等の支払基準の作成と公表の義務化と、これら関係者に対し特別の利益供与を禁止することで、適正かつ公正な支出監理を行うこととした。
また、批判の多い内部留保については、再投下可能な財産額(社会福祉充実残額)を明確化し、これを社会福祉事業等へ計画的に再投資していくため、社会福祉事業又は公益事業等の新規実施・拡充に係る計画(社会福祉充実計画)の作成が義務付けられた。この計画の作成にあたっては、公認会計士・税理士等及び地域住民その他関係者の意見を聞かなければならず、また、所轄庁の承認も必要である。
以上のものに加えて、地域社会への貢献を目的として、地域における公益的な取組を実施する責務を負うこととした。具体的には、生計困難者に対する無料・低額な料金による福祉サービスの提供等である。これはあくまで努力義務であるが、現状の批判を考えれば行わざるをえないだろう。
3、結論
以上が改正社会福祉法の主な内容である。改正の背景でも記したように、社会福祉法人の公共性・非営利性の徹底とこれを担保するための情報公開を進めるものであり、加えて、他の事業体では対応できない様々な福祉ニーズに応えることで、地域社会への貢献を果たすことを目指すものである。
その中で、概要にも示したガバナンスの強化、社会福祉充実計画の作成において、専門家として税理士の協力が求められており、社会福祉法人の運営について税理士が果たす役割は一層増していくものと考えられる。
平成 27 年 7 月 7 日
櫻井 俊介